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【COLUMN/TIES】丸の内 小林:ナポリ解体新書 ⑫ ~似て非なるもの~

2022-9-30MARUNOUCHI TOKYO MIDTOWN

ナポリの旧市街へと続く道の途中にあるジェス・ヌォ―ヴォ広場。左にはジェス・ヌォ―ヴォ教会、右にはサンタキアラ教会が向かい合い、手前には”無原罪懐胎の尖塔”がそびえ立つという、ナポリの中でも特別な広場の一つです。この旧市街エリアも、美味しいナポリ郷土料理を出す食堂が多く、また、海側に下ると、マウリッツィオの母校でもあるフェデリコ2世ナポリ大学があり、場所柄、学校関係職員や学生などに向けた、”昔ながらの激安、激旨の定食屋さん”などがあったりするおもしろいエリアになります。

 

 

こんにちは、マリネッラ ナポリ 丸の内 の小林です。いつも私ども、▶マリネッラのブログ、公式オンラインストアFLOENS TOKYOをご覧下さり、誠にありがとうございます。

心より、御礼申し上げます。

 

さて、みなさま、如何お過ごしでいらっしゃいますでしょうか。

 

コロナウイルスの流行も中々終息の見えない状況が続いておりますが、ご旅行などお控えになられている方も多いのではないでしょうか。

 

私も、「いつになったら以前のようにナポリに行けるのかな」などと、思いをめぐらせる今日この頃です。

 

そして、「もし、今ナポリに行けるとしたら、何が一番したいのかな」などと、改めて冷静に考えることも最近多いのですが、お恥ずかしい話、私の、堂々の第一位がこれなのです・・・。

 

“ナポリで思う存分ナポリ郷土料理を食べたい”

 

コロナウイルスの影響で、「まさか、あのお店やめちゃってないかな・・・」、「どうしてるかな・・・」、などの心配もあったのですが、現在では、昔と異なり、インスタグラムやフェイスブックといったSNSが世界的に普及してくれたおかげで、日本にいながらリアルタイムで外国のお店の状況なども、簡単に知ることが出来る大変便利な世の中になりました。

 

そして、日本にいながらにして、パスタやピザといった料理も、現地の味に近いものが身近に食べられるようになったり、現地の食材も手に入り易くなった為、旅行時特有の、時差による胃腸の不調に悩まされながらも、どうしても、「これも食べておかなければ・・・」という機会も減った気が致します。

 

しかしながら、それでも、これだけは“ナポリで食べるものと絶対に違う”というものがあるのです。

 

みなさま、何だと思われますか。

 

そう、それは、“モッツァレラ”なのです。

 

モッツァレラは、ナポリ市が属するカンパーニャ州が原産のチーズで、水牛の乳から作られる、いわゆるフレッシュチーズの一つなのですが、実は、日本で手に入るモッツァレラは、現地で食べる新鮮なそれとは、完全に全くの別物です。

 

まず、イタリア国内においても、ナポリ以外の地域では、輸送で日にちを経過してしまう為に、ナポリで食べるよりも味が落ちるとさえ言われます。

 

また、日本に輸入されるイタリアのモッツァレラの殆どは、一旦冷凍されたり、仮に冷蔵でも日が経っていたり、中には、水牛ではなく、乳牛の乳で作られているものもあったりと、どうしても現地で食べるものとは違いが出てしまいます。

 

近年、日本国内製造のモッツァレラも販売されているのですが、こればかりは、やはり本場には太刀打ちできません。

 

ナポリで食べるモッツァレラ、本当に美味しいです。例えるのであれば、

 

「杵でついた、つきたての餅と、冷凍された餅の差」

 

くらい違うと言っても過言ではないかもしれません。

 

やはり、こればかりは“似て非なるもの”、というわけで、みなさまナポリに行かれた際は、是非お試し下さい。

 

そして、恒例、ナポリでモッツァレラを食べるならということで、ここがおすすめです。

 

“Locanda ‘Ntretella”

Locanda ‘Ntretella – Ristorante Napoli (locandantretella.com)

 

まず、アクセスが抜群に良いです。キアイア通りからスペイン人地区側に少しだけ入ったところなのですが、マリネッラのナポリ本店から徒歩圏内の好立地です。

 

あの悪名高きスペイン人地区側の一画なのですが、はずれの手前側なので治安は良好。

そして、誰もがナポリといってイメージする、“あの庶民的なあのナポリの原風景”

を思わせる光景が残るエリアなので雰囲気も楽しめます。

キアイア通り側からスペイン人地区側へと向かう坂道。キアイア通りは、スペイン人地区に見られるような庶民的なナポリと、キアイア通りに見られるような、ある種前衛的とも感じられる、今のナポリが見事に混在されたエリアに思います。パリのプチホテルを思わせるような貴族の屋敷を改装したホテルなどもあったりと、治安はすこぶる良好、滞在や散策にはおすすめのエリアです。

 

 

そして、何より、ここのモッツァレラは、本当に美味しいです。しかも、“赤ちゃんの頭くらいの大きさ”の大型のモッツァレラがそのまま皿にのって出てきます。

 

おすすめの頼み方は、前菜でモッツァレラを食べ、後は、パスタか、パスタを頼まずにメイン一皿を食べるだけで十分な量です。もし足りなければ、こちらは前菜が美味しいので追加もおすすめです。

 

プリモとセコンドの両方は、旅行中の胃腸の状態では食べきれない量に思います。しかしながら、マナー違反のオーダーではないのでご安心を頂き、美味しくナポリ土着種のワインでゆっくりと召し上がって下さい。

 

そして、最も大切なことは、よく、トマトと一緒に出されることの多いモッツァレラですが、

 

“ナポリ式の付け合わせは生ハム”

 

なのです。せっかくナポリにいるので、是非ナポリスタイルで、生ハムとモッツァレラで食べて見て下さい。生ハムの塩気とモッツァレラの相性の良さに完全にやられます。そして、その後は、確実にトマトに戻れなくなります・・・。

 

そして、お会計を済ませましたら、腹ごなしに歩いてすぐなので、エスプレッソは▶“Gran Caffe Gambrinus ガンブリヌス”で召し上がって下さい。最高のエスプレッソが飲めます。

 

それでも、まだ、デザートが食べたい場合は、ご安心ください。キアイア通りに戻り、▶“Casa Infante カーサ インファンテ”の美味しいジェラートを食べながらホテルの帰路につけます。

 

如何でしたでしょうか、ナポリ人のソウルフードであるモッツァレラ。まつわる小話もまだまだ、書き足りないところですが、長くなってしまうのでこのあたりにさせて頂きます。

 

美味しいものがたくさんあるナポリ、早くまた以前のように行けるようになってほしいものです。

 

それでは、また次回に。お付き合い頂き、ありがとうございました。

 

丸の内にお越しの際は、是非、店頭にも遊びにいらして下さい!

 

〈次回へ続く〉

 

 

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