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【COLUMN/TIES】丸の内 小林:ナポリ解体新書 ⑥ ~異端の飲み物~
2022-2-16MARUNOUCHI TOKYO MIDTOWN
こんにちは、マリネッラ ナポリ 丸の内 の小林です。いつも私ども、マリネッラのブログ、公式オンラインストア▶FLOENS TOKYOをご覧下さり、誠にありがとうございます。 心より、御礼申し上げます。
自己紹介を兼ねました導入編の話を前回にて終了いたしまして、今回から本格的に様々なナポリの四方山話を書いていきたいと思いますので宜しくお願いいたします。
さて、みなさま、如何お過ごしでいらっしゃいますでしょうか。コロナウイルスの流行が一向に収まる気配が見られず、不安な日々が続いているかと思われますが、コロナウイルスに罹られた方には、謹んでお見舞い申し上げます。また、世界中の一日も早い収束をスタッフ一同心より願っております。
コロナ禍の前には、お客様から「イタリアに行ったよ」、「ナポリ本店に行ってきたよ」などなど、たくさんの楽しいお話が聞けたのですが・・・。早く以前のように、安心して旅行に行ける日が戻ることを切に願う今日この頃です。
そして、その話の中で、お客様から「ナポリはコーヒー美味しいよね」と言われることも多いのですが、果たしてその真相は・・・。
ナポリで飲むコーヒーですが、ひいき目無しで”イタリアで一番美味しい”と思います。何が違うかというと、とても難しいのですが、大抵のナポリ人バリスタは、「水が違う、いや、愛が入っている」、「心で淹れている」的なことを宣うのですが・・・。それはさておき、ナポリのコーヒーは、まず、カップが持てないくらいに熱々。そして、他のイタリアの都市のコーヒーより量も少なめに抽出を行い、濃くてとろみがあるように思います。
ちなみに、このイタリアでのコーヒーは、エスプレッソを指します。小さなデミタスカップに少量だけ注がれた、濃くて甘いあれです。イタリアでは、日本でいうところのブレンドコーヒーのような、量が多くて薄いコーヒーは、ほとんど飲まれず、何と、あの世界の”スター〇ックス”ですら、2、3年前までイタリアには無く、現在はミラノに1号店が初出店し、おそらくイタリア国内ではこの1店舗だけという、コーヒーには一言あるお国柄でもあります。
このエスプレッソですが、諸説あるものの、”濃い苦い”で身体に負担が有りそうな印象ですが、実は逆と言われます。なんでも、高圧力により短時間で一気に抽出されるエスプレッソは、他のコーヒーや紅茶に比べカフェインの含有量が少ないというデータで有るとか無いとか・・・。
そして、コーヒー豆の一番旨い部分を凝縮させて抽出するコーヒーの贅沢品。正に、”一番搾り”だそうです。コーヒー愛溢れるイタリア人から言わせると、いわゆるアメ〇カンコーヒーは”出がらし”だそうです・・・。
そもそも、16世紀から17世紀にかけ、地中海を行き交う商人によりヨーロッパに伝播したとされるコーヒー。当時は、その毒々しい色の黒さから敬遠されます。
ところが、好奇心旺盛なナポリ人は、いち早く暮らしに取り入れたそうです。そして、コーヒーは、”異端の飲み物”とされていましたが、ナポリではむしろその逆で、
”これがないと、ナポリ人の一日は始まらない”
とまで言われる確固たる地位を築き上げることになります。
「悪魔のように熱く、地獄のように黒い。そして、天使のように純粋で愛のように甘い。」
これは、ナポリのエスプレッソを称えたとされる一節なのですが、何ともナポリ人のエスプレッソに対する敬愛の念を感じられる表現ではございませんか!そして、このエスプレッソ、とにかくナポリ人は一日の中で事あるごとによく飲みます。
かく言う、マウリッツィオも来日時は、日に幾度も「みんなエスプレッソ飲むか?」と、何と、自らコーヒーを求めに行き、軽食やコーヒーをスタッフに振舞ってくれる優しい人柄であります!
また、イタリアにおけるこのコーヒー文化は面白いことに、大方のイタリア人は、自分の馴染みのバール(コーヒー店)や、お気に入りのコーヒー豆メーカーがあるのですが、ナポリと言えば、まず以前にもお話したKIMBO(キンボ)社が群を抜いて有名に思います。
私もKIMBO一辺倒だったのですが、2007年以降は ↓ に鞍替え致しました。そして、なぜ、2007年かというと、マリネッラ ナポリ 東京ミッドタウンのマリネッラがオープンの際、オーナーのマウリッツィオと一緒に来日していた友人のナポリ人に、「次にナポリ来たら、美味しいから飲んでみな」と教えてもらったのがこちらです。
▶”Caffe Passalacqua ”(カフェ パッサラックア)
コーヒー豆の中でも、高級とされるアラビカ種の豆を多用、または100%使用しており(一般的なエスプレッソはロブスタ種の使用割合が多めです)、そして、”ナポリ市内にある家族経営の小規模な焙煎工場にて(正に、ここが味噌です!)昔ながらの手法により丁寧に作られる”そのコーヒーは、味にうるさいナポリ人お墨付きのスペシャルクオリティーです。
そして、ナポリ市内に、このパッサラックアが飲めるバール(コーヒー店)がいくつもあるのですが、おすすめは▶”Bar Mexico”です。
いつも、なぜ、Mexico?と、ついつい思ってしまうのですが、パッサラックアを飲むなら絶対ここです。味、温度、砂糖の量などなど完璧です!そして、市内に何店舗かあるのですが、ダンテ広場前にある店舗の味は別格に旨いと思います。アクセスも良いですし、とにかくバリスタの皆さんがプロなのでナポリに行かれた際はお立ち寄り下さい。
パッサラックアは、ここ数年、日本のイタリア料理店などでのシェア率も高くなっており、ご存知の方も多いかもしれませんが、美味しいです。また、今は、アマゾンなどでも購入出来るので、是非、お家で試されてみて下さい。ナポリの味が簡単にご自宅でお楽しみ頂けます。
やはり、イタリア式にマキネッタ(直火式コーヒー抽出ポット)で淹れるのがおすすめです。正にナポリの味です。そして熱々のエスプレッソをバニラアイスにそのままかけてのアッフォガートも最高です。色々試しましたが、おすすめは、ハーゲン〇ッツよりも、▶レディーボーデン。恐らく、乳脂肪分の割合の差かと思われますが絶妙に合います。冗談抜きで1パイント行けます!
最後に、完全に余談なのですが、日本でコーヒー関連用品が揃うお店としては、新宿の紀伊国屋書店の裏手にある▶”山本コーヒー”すごいです!コーヒーに関するものは、殆どここで手に入ります。
私も、遡ること20数年前、学生時代に授業をさぼって買いに行き、初めて買ったマキネッタがこちらで購入のLAVAZZAのものでした。20年以上経過しており、要所のパーツは焼けてしまったり、取れてしまったりしているのですが現在も現役で使用中です。
そして、何とイタリア国内では、マキネッタの老舗メーカー、”ビアレッティ社”のものについては、ハンドルやパッキンなど、パーツごとの単品購入ができるので、傷んだパーツを交換しながらフランケンシュタイン状態でみなさんそれぞれ愛着あるマキネッタを長年使用しておられます。
このマキネッタですが、使用後は洗剤を付けて洗うのはご法度。水で軽く洗う程度がベストです。何でも、抽出の際にコーヒーから出る油分がマキネッタ内部に油膜を作り、その油膜でコーティングされた状態で長く使って行くことにより、より深みのある、味わい深いコーヒーを抽出できるようにエイジングされるのだとか・・・。
少々、長くなってしまいました・・・。
みなさまもご興味のある方は是非、マキネッタをお試し下さい!4,000円程の初期投資で、自宅で豊かなコーヒー生活が楽しめます。これ本当におすすめです!
それでは、また次回に。お付き合い頂き、ありがとうございました。
丸の内にお越しの際は、是非、店頭にも遊びにいらして下さい!
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