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【COLUMN/TIES】丸の内 小林: マリネッラ商品の背景 ~ “みにくいアヒルの子” ~

2022-4-26MARUNOUCHI TOKYO MIDTOWN

ヴェスヴィオ火山に抱かれ、右手には卵城、左手には高級ホテルがそびえ立つこの地区は、サンタルチアとも呼ばれ、ナポリと聞いて誰もが想像する風景の一つ。近年、車の乗り入れが禁止され、朝はジョギング、そして、日中から夜まで散歩やおしゃべりをする方達の憩いの場になります。また、ロケーションゆえ、結婚式を迎えた新郎新婦のウエディングフォトの撮影場所としても定番の地区でもあります。場所柄、高級エリアとされ、ティレニア海に面する絶好の立地のため、高級レストランやバーなども多く、昼間から夜遅くまでお洒落をした人たちで賑わいます。

 

こんにちは、マリネッラ ナポリ 丸の内 の小林です。いつも私ども、マリネッラのブログ、公式オンラインストアFLOENS TOKYOをご覧下さり、誠にありがとうございます。

心より、御礼申し上げます。

 

みなさま、如何お過ごしでいらっしゃいますでしょうか。 

前回の▶「天人の衣には、縫い目が無い」から引き続き、私、マリネッラ ナポリ 丸の内 の小林 が▶マリネッラ商品の背景を担当致します。

 

少々長く、また、お読みになり難い箇所もあるかと思いますが、今回も是非、最後までお付き合い下さい。

 

というわけで、今回の“マリネッラ商品の背景”は、「みにくいアヒルの子」に倣い、少々変わり種のネクタイのご紹介です。

 

さて、まず、みなさまもご存知のように「みにくいアヒルの子」は、アンデルセン原作の名作童話の一つ。

 

物語のあらすじは、アヒルの群れの中で、他のアヒルとは異なった容姿で生まれた一羽が、自分の姿に悩みます。そして、成長をするにつれ、群れの中の他のアヒルからも「仲間ではない」といじめられてしまいます。

 

時は過ぎ、悩み果てたアヒルは群れから逃げ出します。そして、白鳥の群れが住む水辺に辿り着くことになるのですが、そこでの白鳥達の意外な反応にアヒルは驚愕します。

 

そして、水面に映る成長した自分の姿を見て、何と、自分がそれは美しい“白鳥”だったことに気付き、悩みから一気に解放されたアヒルは、大空に羽ばたいて行くという感動的な童話です。

 

私も、幼少期に、母や姉からこの絵本の読み聞かせをしてもらった懐かしい記憶が思い出されますが、この童話の奥深さが理解できたのは、恥ずかしながら大人になってからでした。

 

というわけで、みなさま今回は、“みにくいアヒルの子”という表題ですが、決して“みにくい”ネクタイの話ではなく、むしろ白鳥のように華がある、マリネッラの中でも一際エレガントな美しいネクタイのご紹介です。

 

そうなのです、今回は華やかなネクタイの代表格、“サテン地のネクタイ”のご紹介です。私どもマリネッラをお詳しい方には、「マリネッラでサテン・・・、めずらしいね。」といったところでしょうか。

 

しかし、これが、まさに“みにくいアヒルの子”。普段は、どうしてもプリントや、ジャカードに押され、中々に日の目を見ない。本来持ち合わせる、サテン地の美しさや、着用シーンにおいて本領が発揮される“エレガントさ”などの効果がぼやけてしまいがちです。

 

ところが、今回ご紹介する▶サテンのモデルは、“ある足し引き”が施されていることにより、様々なシーンで最高のパフォーマンスを発揮することが出来るよう仕上げられています。

 

もともと、サテンは、縦糸と横糸の交差する部分を少なくすることで、滑らかな表面が形成されるよう織り上げられます。それは、まるで、一方方向だけの糸だけで織られた生地であるかのような艶やか、かつ滑らかな質感が特長となります。

 

そして、溢れんばかりのその美しい光沢と、華やかさを持ち合わせる質感は、高級素材ともされ、セレモニーやパーティーといったシーンの、特に、夜からの場面で重宝をされてまいりました。

 

しかしながら、今回の▶サテンのモデルは、ライトカラーのベースに、ドットやトーン オン トーンのピンドットといった、どちらかといえば、日常使いに適した柄が、敢えて載せられているという仕様。

 

そうなのです、この点にマリネッラ、そして、マウリッツィオならではの後述する“ある足し引き”が組み込まれているのです。

 

 

 

 

そもそも、私どもマリネッラの本店がある、イタリアのナポリは、イタリア全土の中でも屈指の“お洒落啓蒙”強化エリア。

 

“紺無地スーツ+白シャツ+白地小紋柄タイ=エレガントな伝統的なナポリスタイル”

 

という方程式が成立してしまうほど、ナポリは、その昔からエレガントに装うことに対して、老若男女問わず情熱的かつ貪欲な土地柄、地域性です。

 

何と、ナポリ本店の工房では、祖父から孫にマリネッラのネクタイを譲るために、“おじい様が着用された古いネクタイのメンテナンスを依頼される”なんてこともあると聞きます。

 

そして、世代を引き継ぎ、代々装うことの大切さや楽しさを体得するべく、小さな頃から装いのマナーやルールといった、大きな意味での美意識やセンスのようなものを磨いて行くそうです。

イタリア広しと言えども、この“装い”に一言ある方が多いのもナポリならではの、特有の文化ではないかと思います。

 

その証拠に、朝の6:30からオープンしているマリネッラ本店には、その日に身に着けるネクタイを購入するために、仕事の前にネクタイを選びに来店される紳士で賑わっています。

ナポリ本店1階の様子。まだ外がうす暗い朝6:30からシャッタ―を半分開け、その日に締めるタイの品定めにいらっしゃる、目が肥えた地元ナポリの顧客の要望に応えるべく、オーナーのマウリッツィオ自らも店頭に立ちます。

 

そのような地域柄の為、パーティーや食事会などのイベント、ましてや、結婚式などがある際は大変です。ご夫婦やカップルで、当日の装いについての打ち合わせが遥か前から綿密に行われ、如何に美しくエレガントに装うかに余念がありません。

 

そして、その際に重宝されるのがこちらの▶サテンのモデル。現地ナポリの方、日中の食事会やパーティー、そして結婚式などで身に着ける方が多いです。また、ナポリの乾いた太陽の日差しに映えるということもありますが、みなさま本当に上品にお召しになられるので、「真似したいものだなぁ」などと、つくづく思ってしまいます・・・。

 

夜向けのフォーマルという概念のサテン地に、きれいな明るい色調や、ドットといった、日常向きの要素を加え、敢えて日中のインフォーマルに落とし込むあたりの一捻りは、さすがのパフォーマンスの巧妙さを物語ります。そして、この「敢えて」の部分が、マリネッラフリークの心をくすぐるスパイスにもなっているのではないでしょうか。

 

また、最後に、▶こんなパターンも存在するのでご紹介致します。こちらは、サテン地ではなくベースが何とハウンドトゥースの織り柄。そして、何と、そこに程よいサイズのドットを載せてしまいます。

 

サテン地ほどベースは光りませんが、ベース地の織りの抑揚により、しっかりと生地感を主張してくれるあたりはさすがの一言。これもまた、100年超の歴史に裏打ちされた、マリネッラエレガンスの隠れた欠片の一つではないかと思います。

 

初見で「マリネッラかな、違うかな・・・」と、大剣裏に縫い付けられた”白いエチケット”を見るまでマリネッラだと判別しきれないような変則パターンのモデル。

実は白鳥だったという「みにくいアヒルの子」が如く、異端にして正統な”エレガンス”を大切なシーンでお楽しみください。

 

 

現在、▶サテンは、東京ミッドタウン、丸の内の各店舗、及び、公式オンラインストアFLOENS TOKYOで展開中。

 

また、▶ハウンドトゥース×ドットは公式オンラインストアFLOENS TOKYOのみでの展開となります。是非ご覧下さい。

 

▶サテン

 

▶ハウンドトゥース×ドット

 

レギュラー仕様 26,400円税込

 

 

※マリネッラのネクタイはオンラインストアFLOENS TOKYOでもご購入いただけます。

⇒FLOENS TOKYO|E.MARINELLA商品一覧

 

 

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