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【COLUMN/TIES】丸の内 小林: マリネッラ商品の背景 ~ “天人の衣には縫い目が無い” ~

2022-3-26MARUNOUCHI TOKYO MIDTOWN

ナポリ本店1階にて、たくさんの新作ネクタイを前に立つオーナーのマウリッツィオ・マリネッラ。朝6時半から夜遅くまで、自身も店頭でお客様をお迎えします。祖父であり、創業者でもあるエウジェニオから直接マリネッライズムを継承した正に生き字引。探求心と好奇心溢れるその飾らない気さくな人柄も、正に”天衣無縫”です。

 

こんにちは、マリネッラ ナポリ 丸の内 の小林です。いつも私ども、マリネッラのブログ、公式オンラインストアFLOENS TOKYOをご覧下さり、誠にありがとうございます。

心より、御礼申し上げます。

 

さて、みなさま、如何お過ごしでいらっしゃいますでしょうか。

 

前回の▶「いえ、山羊ではない方の“カシミール”です・・・」から引き続き、私、マリネッラ ナポリ 丸の内 の小林 が▶マリネッラ商品の背景を担当致します。

少々長く、また、お読みになり難い箇所もあるかと思いますが、最後までお付き合い下さい。

 

そして、今回の“マリネッラ商品の背景”は、「小紋タイ」についてです。

と、言いながら表題が「天人の衣には・・・」とは、なぜ?と、お思いになる方も多いかと思います。しかし、実は、この“天人の衣”と“マリネッラのタイ”との間に、ほんの少しだけ、ある共通点があるのです。

 

 

~天衣無縫~

 

天衣無縫(てんいむほう)と読み、読んで字の如く「天人の衣には、縫い目が無い」ということなのですが、つまるところ、切り縫いをして、布を繋ぎ合わせれば、いくらでも絢爛な衣は仕上がるけれど、天人が着ているとされる縫い目の無い無装飾の衣は、装飾が無くとも存在それだけで自然で美しいという様を表した意味だそうです。

 

 

そして、これが転じて、“作為的な技巧の無い、天真爛漫な自然で美しい様子”を表す言葉と変化していったそうです。

 

“天人”、“天衣”と比べてはおこがましい限りですが、私どもマリネッラのタイも、一見すると何の変哲もないプリントシルク生地のタイであるため、コンサバティブな印象や、誤解を恐れずに言うならば、「古めかしい」とも言われてしまいそうな面持ちです。

 

しかし、私どもマリネッラが使用するこのシルクですが、現代において、敢えて大量生産可能な量産型のシルク生地を使用せず、コストが高く、生産に膨大な手間がかかる英国の老舗シルク生地メーカーがマリネッラの為に織ったハンドプリントシルク生地を使用することにこだわり続けます。

 

そして、その英国製シルクをナポリに輸入し、本店工房で手作業によりネクタイに仕立てるわけなのですが、これもまた、当時より守り続けられている伝統になります。

数百本、数千本とも言われるナポリ本店のネクタイのストック。定番の色から、めずらしい色まで、宝探しをするようにお気に入りの1本を探すことが出来ます。それは正に一期一会。そして、これらのネクタイが遠く離れたナポリから日本に届くのかと思うと感慨深いものがあります。

 

ティレニア海に面するナポリのヴィットリア広場前で100年前のその昔から、現在とそれほど変わらない形で店舗を構え、敢えて、あまり大きく変わることを望まず、お客様と共に家業を守り続けてきたマリネッラ。

 

ある側面からは、“保守的”とも思われがちなのかもしれません。しかしながら、過剰な装飾や技法を廃し、“伝統と正統”という土台のもとに、適正な素材と熟練の仕立てにより本質を見失わずに歴史と共に作られてきた私どものタイとその生業の様は、手前味噌ながら、正に“天衣無縫”のそれではないかと思います。

 

そもそも、私どもが定番とする“小紋タイ”ですが、タイの長さは約148㎝で仕上げられます。これは、外国製のタイの中では、長すぎず、短すぎずの比較的使い勝手の良い長さに思います。

 

そして、大剣幅は、おおよそ8.5㎝~9.0㎝。また、モデルは大きく分けて下記の2つに大別されます。

 

 レギュラータイ(3つ折り)

いわゆる一般的なタイの作りのレギュラータイ。しかしながら、通常は、無地の裏地を使用する裏側までも、表地と同一のシルク生地が贅沢に施されます。これにより、裏地生地では得ることが出来ない、ふっくらとした立体感と見た目の豪華さが実現されます。

 

 

セッテピエゲタイ(7つ折り)

より昔ながらの仕立てに忠実なセッテピエゲタイ。レギュラータイの倍ほどのシルク生地と、高度な仕立て技術を必要とされるマリネッラの醍醐味が凝縮された仕様。結び目から剣先にかけての立体感は秀逸です。

 

 

これは、タイの内側部分に折り込まれるヒダ数の違いなのですが、やはり、生地量、手間、仕立ての難しさからセッテピエゲタイは、非常に手の込んだ仕立てとなっており、熟練職人による手仕事の温もりと、ナポリ本店の息吹を堪能できる仕立てになります。

 

両モデル共に、使用するシルク生地の質は同一。また、熟練職人による手仕事で仕上げられることも同様で、結び目なども大きな差はありません。

 

そして、一番肝心な在庫量ですが、一時的な例外はあるものの、ブランドを代表するセッテピエゲタイの在庫量が多くなります。それが故、時期にもよりますが、その本数の多い分だけセッテピエゲタイの方が、よりたくさんのストックの中から気に入った1本をお探し頂けることが可能になります。

 

現社長のマウリッツィオの祖父であり、創業者のエウジェニオは、創業者の教訓としてこのような言葉を残しています。

 

マウリッツィオの祖父であり、創業者でもあるエウジェニオ。地元ナポリの名だたる名士を夢中にさせたエウジェニオの美的センスと審美眼は、生涯を通し紳士のエレガンスを追求して行く中の過程で自然と体得していったものであったそうです。

 

「タイは、適正に選ばれた正しい素材を用いて仕立てられることが大切であり、エレガンスを表現する柄は“小紋”である。そして、剣先の幅は8.5㎝~9.5㎝が適正であり、幅が少し広くなっても良い」

 

 

現在も、マリネッラの小紋タイの多くが、8.5㎝~9㎝の幅で仕立てられていることを鑑みると、1914年の創業から流行に左右されることなく、100年超の長きに渡りエレガンスを追求してきた結果の黄金比であることが導かれることと思います。

 

元イタリア共和国大統領フランチェスコ・コッシーガ、元伊首相シルヴィオ・ベルルスコーニ、二コラ・サルコジ元仏大統領、チャールズ英国皇太子など、名だたる要人の襟元を飾り続けているマリネッラ。

 

タイにおいても、正に、自然な美しさ溢れる“天人の衣”のように過剰な装飾やデザインは不要であり、余分なものが削ぎ落され、その結果として“タイを身に着けるお客様自身が一層際立つ”というマリネッラ家の哲学とも相通ずるものがあるのではないかと思います。

 

古くから、公人、私人問わず、世界中で活躍する名だたる要人から熱い支持を得て、また、魅了し続けるマリネッラの小紋タイ。その理由を少しだけ垣間見られたように思います。

 

 

現在、小紋タイは、東京ミッドタウン、丸の内の各店舗、及び、公式オンラインストアFLOENS TOKYOで展開中です。そして、ナポリより多数の入荷がございましたので是非ご覧下さい。

 

 

小紋タイ

 

▶レギュラー小紋タイ 26,400円税込

 

▶セッテピエゲ小紋タイ 33,000円税込

 

 

※マリネッラのネクタイはオンラインストアFLOENS TOKYOでもご購入いただけます。

⇒FLOENS TOKYO|E.MARINELLA商品一覧

 

 

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