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【COLUMN/TIES】丸の内 小林:ナポリ解体新書 ⑩ ~プルチネッラの秘密~

2022-7-30MARUNOUCHI TOKYO MIDTOWN

 

細い路地の先に見える丘の上には、国立サン・マルティーノ博物館が見えます。かつては、修道院も備えてえいたこの建物、現在は、博物館となっており、教会や庭園なども併設されます。ここの博物館に所蔵されるプレセピオ(キリスト生誕のジオラマ模型)は圧巻です。また、ナポリ市内のいたるところから見上げることが出来るこの丘は、見上げる場所により様々な表情を見ることが出来ます。路地の違法駐車やバイクとの対比から見る丘の風景こそある意味では最もナポリらしい構図なのかもしれません。

 

 

こんにちは、マリネッラ ナポリ 丸の内 の小林です。いつも私ども、▶マリネッラのブログ、公式オンラインストアFLOENS TOKYOをご覧下さり、誠にありがとうございます。

心より、御礼申し上げます。

 

さて、みなさま、如何お過ごしでいらっしゃいますでしょうか。

 

いよいよ、夏本番といったところでしょうか。暑い日が続いておりますので、みなさま、水分と塩分をしっかりと取り、くれぐれも熱中症にはお気をつけ下さい。

 

というわけで、「プルチネッラの秘密」ということで、みなさま、唐突ではありますが、“プルチネッラ”をご存知でしょうか。ナポリに行かれたことがある方は見たことがあるかもしれません。

 

こちらです。

”ナポリ人の象徴”ともされる、プルチネッラ。ナポリの旧市街に行くと、廉価なものから高価なものまで様々なプルチネッラを扱うお店がひしめき合います。また、▶”真のナポリピッツァ協会”の認定店を表す看板も、このプルチネッラがヴェスヴィオ火山をバックにピザを焼く、その1コマが記されております。

 

 

そうです、なんとも不気味なピエロなのか、ジョーカーなのかというような風貌ですが、このプルチネッラは、決して悪いものではなく、むしろナポリではとても身近で、ナポリ人とは切っても切り離せない、シンボルのような存在でもあります。

 

ナポリでは、「プルチネッラはナポリ人そのものを表す」や「ナポリ人の生き方だ」、

「ナポリで生きて行く術だ」などなど。

 

ナポリ人にとっては特別な意味を持つ存在になります。

 

そして、ナポリでは、このような慣用句表現があります。

 

“Il segreto di pulcinella (プルチネッラの秘密)”

 

「プルチネッラが知っているくらいに、誰でも知っている秘密」という意味なのですが、

“誰もが知っている公知の秘密”というぐらいの意味合いになりますでしょうか。

誰でも知っているようなことを、さも秘密かのように聞かされた時に使うのですが、

「口の軽いおしゃべり好きとされるプルチネッラ」にかけた、面白いナポリらしい表現だなと思います。

 

さて、このプルチネッラですが、その誕生は諸説あり、非常に謎に包まれているという、何ともいわくありげな背景があります。そして、その中でも、私が一番好きな説がこちらです。

 

“プルチネッラにはモデルとなった実在の人物がおり、ナポリ近郊のアチェッラで農夫をしていたプッチョ・ダニエッロという人物がモデルだとされる説”

 

如何ですか、なんともロマン溢れる、“善と悪、信仰と迷信が玉石混交するナポリ”らしい説だと思いませんか。

 

ちなみに、このアチェッラですが、もちろん現在もアチェッラ市として存在し、確かプルチネッラ博物館みたいなものがあったのではないかと思います。さすが、プルチネッラ発祥の地です。(コロナウイルスの影響が及んでないと良いのですが・・・。)

 

そして、実は、このアチェッラ市は、プルチネッラ以外の理由でも有名になったことがあります。

 

といっても、悪評の方なのですが、1990年~2000年代にかけて、ナポリのマフィアであるカ●ッラがナポリ市のゴミ処理利権に目を付け、ゴミ処理や処理場の利権を牛耳ったことで市のごみ処理事業の機能が麻痺、ゴミの不法投棄や焼却による大気汚染が社会問題となり、その際に舞台となったのが、このアチェッラ市とその隣接する2市だったのです。

 

ゴミの不法投棄などから生じる土壌汚染によりこの付近一帯は、がんの発生率が急上昇したとされ、健康被害などが社会問題となり、アチェッラ市と隣接2市を結ぶトライアングルを“死の三角地帯”とまで呼ばれる風評と不名誉を被る形となりました。

 

少々話が脱線致しましたが、話はプルチネッラに戻り、このプッチョ・ダニエッロですが、アチェッラでの日々の畑仕事に追われる何の変化もない毎日に嫌気がさし、悶々とした日々を過ごしていたところ、たまたまアチェッラに旅行にきていた女性に一目ぼれ、その後、なんとめでたくその女性と結ばれ、自由で幸せな人生を送ったという人物で、何とも微笑ましいナポリ人農夫がモデルとなっているそうです。

 

また、プルチネッラは、“子供が10人以上いる子だくさん”、“人が大好きだが、お金持ちと権力者が嫌い”、“大食漢”、“噂好き”、“落ち着きがない”、“後先考えずに今を楽しむ”、という性格の持ち主だとされ、その性格は、まさにナポリ人らしいと言えばその通りかもしれません。

 

ナポリの歴史を紐解くと、古くは、数々の国からの侵略の歴史を経て、現在のナポリが形成されたという歴史的背景があります。

 

また、現代においても、南イタリア特有の経済格差や貧困、マフィアの問題などの課題も多いのが現状です。しかし、その中において、如何に毎日を楽しく過ごし、前向きにたくましく生きるそのナポリ人の姿こそ、プルチネッラにその姿を投影しているのではないかなと思ってしまいます。まさに、プルチネッラは、様々な問題を抱えるナポリで、人生を楽しみながら強く生きて行くナポリ人そのものなのかもしれません。

 

一部悪い人もおりますが、親切で温かい人が多いのもナポリ。そして、ナポリの良いところも悪いところも、それを含めてナポリであり、みんな自分の住むナポリという街が大好きだということが、ひしひしと伝わってきます。

 

“ナポリの人は自分が楽園に住んでいると思っている。それが故、誰も楽園ナポリを出て行こうとしない”

 

これはナポリの街とナポリの人たちの関係を表した言葉だそうです。

 

「かのモーツアルトはナポリ滞在中1曲も作曲をしなかった」、「文豪ゲーテは、執筆と女性関係に疲れた末にナポリを訪れ、居を構えるほどナポリに魅了された」という逸話があるくらい人を夢中にさせる魅力を持つナポリ。

 

これこそ、まさに“プルチネッラの秘密”なのかもしれません。

 

みなさまもコロナ禍が終息しましたら、そんな魅惑の街ナポリを是非ご訪問下さい。

 

それでは、また次回に。お付き合い頂き、ありがとうございました。

 

丸の内にお越しの際は、是非、店頭にも遊びにいらして下さい!

 

 

〈次回へ続く〉

 

 

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