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【COLUMN/TIES】丸の内 小林:ナポリ解体新書 ⑲ ~ナポリ式 “貧乏人のスパゲッティ”~

2023-8-30MARUNOUCHI TOKYO MIDTOWN

グラニャーノにある昔ながらのパスタ工場の一画。さすがに現代においては、ほとんどの工程がオートメーション化されています。紳士服の”カサルヌォ―ヴォ”、モッツァレラチーズの”サレルノ”、そしてパスタの”グラニャーノ”と、ナポリにはその地域に根差した名産や産業が数多く存在します。ある意味では、私どもマリネッラも、そんなナポリの産業の一端を担うのではないかと思います。「古きを温め新しきを知る」、まさにそんな言葉がぴったりと当てはまる街ナポリ、奥が深いです・・・。

 

 

こんにちは、マリネッラ ナポリ 丸の内 の小林です。いつも私ども、▶マリネッラのブログ、公式オンラインストアFLOENS TOKYOをご覧下さり、誠にありがとうございます。

 

心より、御礼申し上げます。

 

さて、みなさま、如何お過ごしでいらっしゃいますでしょうか。

 

まだまだ暑い日が続いており、食欲も減退気味の今日この頃ではないでしょうか。

 

やはり、イタリア人も暑さにより食欲は落ちるようで、夏の始まり頃からは、パスタ カプレーゼと呼ばれる、モッツァレラ、トマト、バジル、オレガノなどで作る、冷製サラダパスタのようなものを食べたりします。

 

そして、私どもマリネッラの本店がある、イタリアのナポリも夏は大変暑く、近年のヨーロッパにおける熱波などの異常気象の影響もあり、日本同様に暑いです。

 

しかしながら、日本ほど湿度が高くないこともあり、アジア圏独特のまとわりつくような暑さではなく、日陰や風が流れると心地良さを感じられる、地中海気候特有の暑さとなります。

 

さて、海の向こうはアフリカという南イタリアの灼熱の夏ですが、ことナポリ人は、夏であろうとレストランのテラス席を陣取り、夏を楽しむべく、仲間と共に楽しい昼餉と夕餉にたっぷりと時間をかけて過ごします。

 

そんな、ナポリ人の様子を目の当たりにすると、やはり、食べる事、大切な人とその時間をも楽しむことに重きを置くイタリア人にとって、食事とは特別なものであり、スローフードやBio、アグリツーリズモといった食文化に関連した分野の先進国なのだなと感じます。

 

そんな豊かに見えるイタリアですが、その昔には、戦争や南北の問題などにより、歴史的に見ると物質的に恵まれなかった時代も有り、国民が食うや食わずの状況さえもあったそうです。

 

そして、特に、南イタリアではその傾向は顕著で、その名残もあり、今でいう

“ナポリ郷土料理”は、豆やジャガイモといったProdotto Povero(貧しい食材)

使用したものが多いと揶揄されることもあります。

 

しかし、そんな一見聞こえの悪いナポリ郷土料理ですが、実はそんなことは全くなく、むしろナポリは、ヴェスヴィオ火山がもたらすその肥沃な大地、温暖な気候、海風山風が吹き降ろすその独特な地形により育った野菜や果物は、南イタリアの太陽をたっぷりと浴び、これらの大地からの恩恵を受けたまさに大地の恵みであり、農産物以外にも、ナポリを有するカンパーニャ州特産のモッツァレラチーズなどを始め、豊かな食材の宝庫でもあります。

ヴェスヴィオ火山がもたらすその肥沃な大地と、ナポリ特有と気候との相乗効果により、レモン、オレンジ、トマトなど様々なナポリ特有の野菜や果物が育まれます。

 

そして、この恵まれた気候は、農産物だけでなく産業にまで恩恵をもたらします。イタリアが誇る世界一の消費量のあれです。そう、ナポリのパスタ産業までをも活発なものとさせているのです。

 

ナポリから南へ30キロ程に位置する街グラニャーノは、”パスタ職人通り”という道が存在するほど昔からパスタ産業が盛んなパスタの聖地とされ、その歴史は、なんと16世紀にまで遡るとさえ言われます。

パスタを作る為の条件が全て見事に備わったグラニャーノ。ナポリの中心から30㎞ほどしか離れていないものの、中心部の喧騒とは全く無縁ののどかな田園風景が広がります。パスタを作るための条件が全て備わった奇跡の街グラニャーノ。ナポリのパスタ産業の心臓部とも言えます

 

ナポリ特有の海からの風と、山からの風、そして強烈な日差しという様々な好条件が奇跡的に揃い、最高のパスタを作り出すのに最適な立地を有するグラニャーノの街は、世界中の高級レストランが使用する高級パスタの産地として世界的にも名高い地域であります。

 

さて、そんなイタリアのパスタですが、ショートやロング、太い細いなど形状の違いで様々な種類が存在することはご存知の方も多いかと思いますが、実は、それだけではなく、

その前の段階で、パスタを成形する際に使用する型により、“ブロンズダイス”“テフロンダイス”大きく2つに分けられるのをご存知でしょうか。

 

一般的に、テフロンダイスはパスタの表面がツルツルとしており、スーパーや量販店などで見かけるパスタのそれです。

 

対する、ブロンズダイスは、パスタの表面がザラザラとしており、少し粉っぽい見た目のパスタです。輸入食材店などで見かける、少し高めのパスタなどによく見られます。

 

こちらのブロンズダイスの方が、より伝統的な製法とされ、パスタの成形面に凹凸ができるため、パスタの割れを防ぐために低温での乾燥が必要となり、手間のかかる工程を経る必要があります。更には、その表面の凹凸の効果によりソースともよく絡み、パスタとソースとの合わさりの一体感が増します。

 

また、このクラスのパスタになると、使用している小麦粉もより高品質なものが使用されることが多いため、小麦粉そのものの風味や香りも十分に味わうことができます。

 

そして、このブロンズダイスのパスタをダイレクトに味わうのにおすすめのスパゲッティがあり、ご家庭でも、調理時間10分たらずの時短で作れる、簡単で美味しいナポリの郷土スパゲッティがあるのでご紹介致します。

 

 

“Spaghetti alla puveriello ”(貧乏人のスパゲッティ)

 

 

名前こそ強烈ですが、ナポリ郷土料理です。第二次大戦後の食糧難の時代に、ナポリの人たちのお腹を満たしたとされる一皿で、“貧乏人のスパゲッティ”と言っても、貧乏な人ではなく、大戦後の食糧難の時代のことを意味するそうです。

 

そして、調理方法は至って簡単です。

 

①パスタを茹でる

 

②フライパンでオリーブオイルとニンニクを熱し、そこで卵2つを揚げ焼きにし、焼き上がったら玉子をお皿に移します。(黄身はほぼ生のままがポイントです)

 

③そのフライパンに茹であがったパスタとゆで汁を投入し、塩コショウで味付け。

 

④パスタもお皿に移し玉子と混ぜ合わせて、パルミジャーノチーズをかけて完成です。

 

ナポリのカルボナーラとも言われるこちらのパスタですが、日本でいうところの“イタリア版の卵かけごはん”とでも言えますでしょうか。

 

そして、こちらのパスタ、卵とパスタを少しだけ高級なもので作ると、素材の味をダイレクトに味わうことが出来、抜群に美味です。

 

「その昔は、ナポリの地場のオリーブオイル、パスタ、そしてチーズ、近所で放し飼いの鶏の有精卵で作っていたのだろうな・・」などと想像すると、どんな味だったのかなと好奇心が刺激されます。

 

乾麺と言えども侮ることのできないナポリ名産のパスタ。ナポリへ訪れた際は、ナポリ土着のトマトを使ったトマトのパスタや、シンプルなアサリのスパゲッティを是非お試し下さい。

 

トリュフやウニといった高価な食材を使った一皿ではないけれども、ナポリの大地の恵みをしっかりと受けた食材で作る、シンプルが故のこだわりの郷土料理を、ナポリ土着のワインで流し込む。そんな贅沢な食事を楽しむことができます。

 

それでは、また次回に。お付き合い頂き、ありがとうございました。

 

丸の内にお越しの際は、是非、店頭にも遊びにいらして下さい!

 

 

〈次回へ続く〉

 

 

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